推薦図書

小学校中学年~高学年向け

かくれ山の冒険

富安陽子/PHP研究所

いたるところに昔話のパロディが見られるおもしろい冒険もので、ほのぼのとした味がある。低学年でも読める。

星新一のショートショートのなかから小学生向けのものを選んで本にしたもの。理論社からも出ているので、面白そうな話をさがしてみては。

おーいでてこーい
  ショートショート傑作選

星新一/講談社青い鳥文庫


宇宙人の宿題

小松左京/講談社青い鳥文庫

上と同じくショートショートだが、星新一氏のものより現実っぽい設定が多い。もちろんすぐ読める面白いものばかり

やさしくて、切なくて、どこかなつかしいお話が11話。元気な男の子にこそ読んでほしい。

なくしてしまった
     魔法の時間

安房直子/偕成社


家の中では、とばないで!

ベティ・ブロック/徳間書店

体長10センチの、しかし367通りの芸ができる不思議な犬。そしてその犬に守られた3歳の女の子。この二人はいったい?

瀬戸内海の小さな島の分校にやってきた泣き虫の新米先生と12人の1年生の心温まるお話だが、実は戦争のおそろしさや貧乏のつらさも語っている。

二十四の瞳

壺井栄/金の星社フォア文庫


ルドルフと
  イッパイアッテナ

斉藤洋/講談社

ひょんなことからトーキョーへ来たチビの黒猫ルドルフと、大きくて優しいイッパイアッテナの笑いと冒険の毎日。

ある日のこと、朝食にひつじ3匹、リンゴ千個をたいらげるというゴジラのような大きな男がまちにやってくる。男を追っぱらういい手はあるのか。

おもちゃ屋のクィロー

ジェームズ・サーパー/福音館書店


クオレ-愛の学校
         (上下) 

アミーチス/偕成社文庫

不朽の名作。エンリーコ少年の1年間の学校生活を日記の形で描く。古い訳のため初めはやや読みにくいかもしれないが、慣れればとてもおもしろい。

東京大空襲、敏子は母と二人の妹をなくした。焼け跡からぐにゃぐにゃになったガラスのうさぎが…。悲しいお話はとても心を育てる。

ガラスのうさぎ

高木敏子/金の星社フォア文庫


セロ弾きのゴーシュ 他

宮沢賢治/講談社青い鳥文庫

他の童話作家にはない独特の賢治の世界。結構深い心情の読み取りが必要。

人間の内面(強さ・弱さ・みにくさ 他)をわかりやすく面白いお話で表す作品が多く、読解の教科書。

くもの糸・杜子春

芥川龍之介/講談社青い鳥文庫


吾輩は猫である (上下)

夏目漱石/講談社青い鳥文庫

100年以上前に発表された作品とは思えない。読みやすく面白い。

ある日、とっくに絶滅したはずのカワウソが…。しかし、大人には見えないみたい。こどもの世界が生き生きと描かれている。

カワウソがいる

阿部夏丸/ポプラ社


岩窟王

デュマ/講談社青い鳥文庫

主人公ダンテスは3人の男のわなにかかって島の牢屋に入れられる。そこで知り合った神父は死ぬ間際に彼に脱出方法と巨額のかくし金のありかを教えてくれた。14年後その金で貴族になりすましたダンテスはモンテクリスト伯と名を変え復しゅうのためにもどってきた…。

ズッコケシリーズの最高傑作ではないか。本当の会社作りが学べるうえに、働くことの意味、お金のことなど作者はちゃんと教えてくれる。

うわさのズッコケ株式会社

那須正幹/ポプラ社


最後のひと葉

オー・ヘンリー/岩波少年文庫

心温まる「最後のひと葉」「賢者の贈り物」、ユーモアあふれる「犠牲打」ほか、オーヘンリーの名作短編が心行くまで味わえる。本嫌いの人でもきっと読み終わるはず。

二人の少年が大泥棒ホッツェンプロッツ(これがあいきょうがある)に挑んでいくお話。ファンタジーと民話とお笑いが一冊になったような本。

大どろぼうホッツェンプロッツ

オトフリート・ブロイスラー/偕成社文庫


ファーブル昆虫記

奥本大三郎/集英社文庫 

みんなのお父さんやお母さんも夢中になって読んだ方は多いはず。他の出版社からもいろんな話が出ているので、興味を感じたものから読んでみよう。

教科書にのっている話、中学入試によく出される話など心温まる短編がぎっしりとつまった一冊。「にじの見える橋」
「夜のくだもの屋」などは内藤ゼミの教材として使わせてもらっている。

小さな町の風景

杉みき子/偕成社文庫


シートン動物記

シートン/講談社青い鳥文庫

「ファーブル昆虫記」と並ぶ古典的名作。
昆虫記とは違ってシートンの創作だが、それだけに動物の心情が生き生きと描かれ、大きな感動がある。

問題のほとんどは中学入試に出たもので本来は小学校の算数で解ける。しかし、実際は大人も考え込む難問ばかり。
君はひらめくか。

解ければ天才!算数100の難問・奇問

中村義作/ブルーバックス


カガミの実験

立花愛子/さえら書房

カガミに、いろいろな方法でいろいろなものを映してゆく科学遊び。

目の錯覚を使った、おもしろい手品が目だまし手品。この本を読めば君も手品師になれるかも。 中古の本しかないのが残念。

目だまし手品 

アーリーン・ボム/福音館書店


子どもにウケる
    科学手品77 

後藤道夫/ブルーバックス

どこの家庭にもあるものを使った手軽な、しかし子どもたちが目を丸くする手品。理科が大好きになる。

この本で算数が好きになった人が多いと言われる。絵本的な要素も多く、親子で楽しめる。

数の悪魔

エンツェンスベルガー/晶文社


コインの実験

高梨賢英/さえら書房

コインを使った18種類の実験や遊び。科学への興味を芽生えさせる。

小学校高学年~中学生向け

いろんな作家のおもしろい作品を「お金」「悪」「家族」などのテーマ別に集めた画期的な編集。

中学生までに読んでおきたい日本文学/哲学

松田哲夫編/あすなろ書房


ルイス・サッカー/講談社文庫

無実の罪で、砂漠の真ん中の少年院に送り込まれ、硬い地面に1.5mの穴を掘る毎日。だが、スタンリーはこの作業に隠された秘密に気づき始める。近年のアメリカ児童文学の最高傑作。

誕生パーティーはおばあちゃんが倒れたせいでおじゃん。それなのにおばあちゃんのプレゼントは…。これを読むとおばあちゃんに若い頃の話を聞きたくなること間違いなし。

スウィート・メモリーズ

ナタリー・キンシー・ワーノック/金の星社


ドリトル先生アフリカゆき

ロフティング/岩波少年文庫

ドリトル先生シリーズの最高傑作と評判。親子2代でファンの人も多い。動物の言葉が分かるドリトル先生の夢と冒険のお話。子どもたちに読んでほしい本。いやきっと全巻よみたくなるはず。

ちびまるこちゃん」の作者のエッセイ集。どちらもとても面白く読みやすい。読書が苦手な人でも大丈夫。

まるこだった
  /さるのこしかけ

さくらももこ/集英社文庫


算法少女

遠藤寛子/ちくま学芸文庫

数学好きの旗本のお坊ちゃまが得意げに浅草の観音様で世間に公開した図形問題と答え。一人の町娘がそのミスに気づき…。江戸時代の和算の天才少女を描く作品。日本の算術は優れていた。

昭和という時代を懐かしく温かく描いた名作。少年の味わう様々な感情が生き生きと語られていて、読解練習にもってこい。いくつかの話でできている。

そこに僕はいた

辻 仁成/新潮文庫


空想非科学大全
      /空想科学読本 3

柳田理科雄/メディアファクトリー

ウルトラマンのウン○は66万トン(空想非科学)、アニメの傑作「ハイジ」のオープニングのブランコのスピードを計算したり(空想科学読本)…など、科学の研究。おもしろい。

ビートたけしこと北野武の、少年を主人公にした3編の短編集。とにかく笑える上に、しみじみとした味もある。本嫌いもきっと読み終える。

少年

ビートたけし/新潮文庫


エミリーへの手紙

キャムロン・ライト/NHK出版

重い認知症でたった一人心の通う孫娘エミリーもわからなくなりそう。そうなったときおじいちゃんは突然死んだ、不思議な詩集とパソコンを残して。推理を楽しみながら家族の大切さがわかる本。

家も家族もない12歳の少年が町にやってきた。とにかくなにをやってもすごい子。明るくさわやかな気持ちになれることまちがいなし。

クレイジー・マギーの伝説

ジェリー・スピネッリ/偕成社


次郎物語(第1部)

下村湖人/偕成社文庫

古典的名作。イメージ化のすばらしい教材。少年のあらゆる心情が表されている。

こちらも古典的名作。少年のさまざまな心情の把握にもってこいの教科書。

路傍の石

山本有三/偕成社文庫


四万十川 

笹山久三/河出文庫

心優しい少年が最後にはいじめっ子に立ち向かってゆく。登場人物がいきいきと動き出す。ラストの痛快さは格別。

両親を事故でなくした少年はやさしい祖父と暮らしはじめる。人はなぜ生きるのか-を教えてくれる名作。ラストが特に感動的。

ナゲキバト 

ラリー・バークダル/あすなろ書房


兎の眼/太陽の子

灰谷健次郎/理論社フォア文庫

ハエが唯一の友である鉄三ちゃん(兎の眼)、戦争の苦しみを忘れられず心を病んでしまった父を持つふうちゃん(太陽の子)。おもしろくて悲しい。社会勉強にもなる。

天才少年ピッチャー原田巧が小さな町に引っ越して来るところから始まる。児童文学のワクからはみ出し、国民的ベストセラーに。

バッテリー(1~6)

あさのあつこ/角川文庫


モモ

ミヒャエル・エンデ/岩波少年文庫

時間どろぼうの「灰色の男たち」とモモの対決を通して、時間に追われる現代社会に対して警鐘を鳴らす作品。

「死」について知りたいと思った小6三人組は一人のおじいさんを観察することに。軽いコメディタッチで大切なことを教えてくれる。

夏の庭

湯本香樹実/新潮文庫


くちぶえ番長/きよしこ

重松清/新潮文庫

温かくて、ちょっと物悲しいお話。重松さんらしい2冊。楽しく読んで少年少女の心理を読み取る勉強にもなる。

平安時代を代表する知識人で、歌人でもあった小野篁(おののたかむら)をモデルにしたファンタジー。大人になるとはどういうことかを教えてくれる大作

鬼の橋

伊藤遊/福音館書店


岳物語

椎名誠/集英社文庫

たくましく育っていく少年、岳。それを父親として見守るおとう。父と子の関係をわかりやすい文体で描いた名作。読後に爽やかさが広がる。

ある中学校の1年2組の男子全員が工場の跡地にたてこもって大人に叛旗を翻す。女子たちに支えられ、味方する大人たちも現れ…。面白い!!

ぼくらの七日間戦争

宗田理/角川文庫


いもうと物語

氷室冴子/新潮文庫

「ほのぼの」感とユーモアに満ちた作品。
昭和の日本の家庭の日常が生き生きと描かれていて、保護者の方も楽しめそう。

無人島に一人で流れ着いたときに役立つ本(たぶん一生役立たない)。雪の中の歩き方、どこにでもいる虫のおいしい食べ方などたっぷり。おもしろい。

冒険手帳
(火のおこし方からイカダの組み方まで)

谷口尚規/光文社


中学生以上向け

出口のない海

横山秀夫/講談社文庫

肩をこわし野球を半ばあきらめた主人公が人間魚雷「回天」に。戦争と軍部に反感を感じながらなぜ命を投げ出したのか。近年まれにみる名作。

母親は泥棒、長男は殺し屋、長女は詐欺師、二男は弁護士、三男は警察官。とにかく面白い。意外なことに家族愛の話。

ひまつぶしの殺人

赤川次郎/光文社文庫


塩狩峠

三浦綾子/新潮文庫

列車の連結が離れ、線路を逆走する客車。自らの命を犠牲にして人々を救った若者。明治末に実際に起こった出来事に基づいて書かれた小説。深く心に残る作品

自転車が大好きな三人の少年の、幼児から社会人になっていく二十数年間を描いた青春ドラマ。その年代ならではの出来事を生き生きと描いている。感動してください。

自転車少年記

竹内真/新潮社


一瞬の風になれ

佐藤多佳子/講談社文庫

「バッテリー」と並び現代を代表するスポーツ青春小説。さわやかさとユーモアはこちらのほうが上かも。とにかく一気に読める。

ネズミの大量発生を前にした人間の無力、読みながらパニくってしまいそう(パニック)。 心を閉ざした太郎と、何とかしようとする画塾の教師の交流、そこにからんでくる大人たちの思惑。ラストシーンの感動は忘れられない(裸の王様)。

パニック・裸の王様

開高健 /新潮文庫


茶の間の正義

山本夏彦/中公文庫

これぞ辛口評論のカガミ。本当に耳が痛くなるかも。しかし、世間を知ることができるし、自分の意見を持つことの大切さがわかる。

井上靖にこんな魅力的な短編集があるとは知らない方が多いのでは(楼蘭)。敦煌の遺跡から発掘されたおびただしい数のお経。それは一人の若者の数奇な運命の産物だった(敦煌)。

楼蘭/敦煌

井上靖/新潮文庫


ロケット・ボーイズ(上下)

ホーマー ヒッカム・ジュニア/草思社

ロケットにあこがれた少年が、花火ロケットから始めて、やがて町中の期待と注目を集めてロケットを打ち上げるようになるが…。NASAのエンジニアの自伝。

各ジャンルに話題作を持つ多才な作者の真の代表作。近年まれに見る壮大なスケールで描かれた二人の少年の人生。

蒼穹の昴(1~4)

浅田次郎/講談社文庫


深夜特急(1~6)

沢木耕太郎/新潮文庫

ユーラシア大陸を中国からヨーロッパのはてまで、ローカル鉄道、バスで旅した記録。小説にはない現実の冒険とロマンと人の息づかいが感じられる。

昭和30年から平成14年までに国語教科書に掲載された名作を本にまとめたもの。さすがにどれをとってもおもしろい。保護者の方も懐かしい作品が。

光村ライブラリー・中学校編1巻~4巻

森鴎外ほか多数/光村図書


虫づくし

別役実/ハヤカワノンフィクション文庫

難しい演劇評論を書くかと思えば、こんなウソだらけのお笑いの本も書くユニークな人。ただし、この本のおもしろさを理解するには少々語彙と読解力が必要。笑いながら長文読解の練習ができる。

底抜けにお人よしの「さぶ」、イケ面できれものの栄二の二人を中心に、人は人に支えられて生きるのだということを教えてくれる感動作。ストーリーの半分を占める人足寄場のところの話の展開は秀逸。

さぶ

山本周五郎/新潮文庫


銀二貫

高田郁/幻冬舎文庫

父と一緒に斬られかけたところを銀二貫(三十両ほど)で買われた武士の子が一流の商人になるまでの話。出てくる人がみないい人ばかり。一気に読めるし、読み終わって温かい気持ちになる。

最後の宮大工と言われた著者の、仕事・道具・人に関するエッセイ。一つの道を究めると世の中すべてが見えるのだろうか、著者の言葉は哲学者、教育者の言葉より分かりやすく勉強になる

木に学べ

西岡常一/小学館文庫


思考の整理学

外山滋比古/筑摩書房

話題のベストセラー。20年前の本が見直された。たしかに読むことで賢くなれる。小学生でも読めるのでは。

なにげない日常の言葉から、われわれ日本人特有の思考、民族性を解き明かしていく。読むだけですばらしい勉強になる。

日本語 表と裏

森本哲郎/新潮文庫