大手進学塾のテスト時間は短すぎます。生徒に恥ずかしくない点を取
ろうと丁寧に取り組めば私が解いても足りないでしょう。
ではなぜ短くするのでしょうか。
それは同点の者が多くなるのを避けるためです。「能力」だけでなく
「時間」という要素もテストに加えることで、偏差値50を中心になだら
かな正規分布が生まれ、評価もクラス分けもやりやすくなります。
さらに、時間が短ければ生徒たちはおしゃべりもイタズラもせず、ひ
たすら問題に取り組みますから監督するほうはとても楽です。
こんなわけで短いテスト時間が当たり前となりました。
しかしその結果、文章をななめ読みし、手間のかかる記述問題は飛ばし
選択問題を優先し、考え直すよりは1題でも多く手をつけようとする…
こういう生徒を大量生産してしまいました。
お金を払って悪い解き方を身につけているようなものです。これは
問題です。
かといってじっくり取り組んでしまうと多くの問題をやり残すことに
なり、点数的には不利です。クラスが落ちるかもしれません。
ではどうすべきか。
結論としては、塾では急ぐ。そして家庭では、特に6年生が過去問を解く
ときは時間一杯を使って問題文は2度読みし(なぜ2度読みするとよいか-
これについてはこのコーナーの「問題文を読むときは」を読んでください)
じっくり考えて、塾で身に付いた急ぎ過ぎるクセを直す。これしかありま
せん。
塾のテストで時間が足りなくて困っているみなさん、実際の中学受験の
国語問題はそれほど短い時間ではありません。あせらなくてよいのですよ。
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